世界三代医療のひとつであるアーユルヴェーダの最高峰の施術ともいわれるパンチャカルマという施術があります。
しかしよっぽど健康オタクか長年病気や症状が改善できない人でなければ、聞いたことすらない人がほとんどでしょう。
美容健康業界に20年弱いるわたしでも内容と凄さを知ったのはたった5年ほど前。
デトックスに興味を持ち最長14日間の断食をしたのですが、断食でもデトックスしきれないものがあると分かりパンチャカルマにたどり着くことができました。
必要な人に、必要なタイミングで出会うのかもしれません。
最後まで読むと、もし何かあっても「パンチャカルマがある」と思えて、心の助けとなるでしょう。
パッと読むためのもくじ
パンチャカルマとは
パンチャカルマとはサンスクリット語で「パンチャ=5」「カルマ=方法」という意味で、直訳すると「5つの方法」。
- ヴァナマ(嘔吐療法)…上部(カパ・水)の乱れ
- ヴィレーチャナ(下痢療法)…中心部(ピッタ・火)の乱れ
- ナスヤ(鼻オイル療法)…頭部(脳・鼻)の乱れ
- パスティ(浣腸療法)…下部(ヴァータ・風)の乱れ
- ラクタモクシャナ(採血療法)…皮膚の乱れ
上記の内容を完全に理解しなくても、漢字を見るだけでかなりハードなものだと理解できるでしょう。
アーユルヴェーダ医師の診断に基づき、上記から2〜3種類最適なものが選択されます。
その中でも前処置・本処置・後処置の三段階に分かれ身体に負担をかけないよう本格的なパンチャカルマは最低3週間かけて行います。
かなりハードですが、パンチャカルマの中には食事法やヨガなども含まれ、安静にすることも治療の一つのなるので施設やホテルの泊まりながらゆっくりと時間を過ごせます。
食事ももちろん体質・症状・時間帯・季節・年齢などに合わせた内臓に負担をかけない消化しやすいデトックスメニューをパンチャカルマの期間中は食べることができます。
これがパンチャカルマがアーユルヴェーダが「最強のデトックス」と呼ばれる理由です。
パンチャカルマのメリットとは
パンチャカルマのメリットは、徹底的に深部からの毒素をデトックスするため、改善した症状は再発しにくく、毒素によって蝕まれていた心と体がリセットされることです。
いつも体調を崩しやすい場所、季節などがある人も、それ以降症状が現れないことから数値では測れない体質改善ができたといえます。
パンチャカルマのすごいところは、薬などを使わずに自然の中のものを使い根本治療ができるところです。
これだけの効果があるのであれば、少し長い期間の入院も楽しく過ごせることでしょう。
アーユルヴェーダの名医であるシーヴァカはブッタの主治医であり、パンチャカルマをブッタにやっていたという記載された古典書があります。
アビアンガという薬草オイルマッサージをした後にヴァナマ(嘔吐療法)をし、あの時代に80歳まで生きていたのはパンチャカルマのおかげではないかと考えられます。
過去にためた毒素をデトックスしてくれる
では実際は何をデトックスしてくれているのでしょうか?
- アーマ(未消化物質)
- マラ(老廃物)
- 化学物質など
- 過剰なドーシャ(エネルギー)
これらは生活習慣、間違った食事、環境汚染などからきていて、生きているだけでたまる毒素であり、体内の管にこびりつき、毒素は毒素を呼び集め、流れを悪くしてしまいます。それが不調につながりやすくなるのです。
デトックスしてくれるのは、身体だけのことではありません。
精神的にも怒り・悲しみ・過去の固執・執着などから解放され、今を楽しめるようになります。
短期間で心身ともに体質改善ができる
旅行期間と思うと長いですが、治療期間と思うと短期間でこれだけの変化を感じるのであれば一瞬の出来事です。
- 病気や症状の改善
- 消化力の強化
- ダイエット
- 肌荒れの改善・透き通った肌
- きれいな目
- 免疫システムの向上
- 便秘改善
- 慢性疲労
- 強い生命力
- 精神的・肉体・魂の若返り
- 穏やかな精神状態
パンチャカルマのデメリットとは
効果の高いパンチャカルマですが、日本では本格的な施術ができないため、中長期で海外に行かなくてはなりません。
そのために休暇を取るためのスケジュール調整や手続きの他に、出費も重みます。海外旅行に慣れていないと少しハードルが高いかもしれません。
しかしコロナ禍でアーユルヴェーダが注目を浴びているので、スリランカではビザの取得がしやすくなるよう国が動いているようです。
【海外のみ】完全なパンチャカルマは日本ではできない
アーユルヴェーダはインド発祥、スリランカで発展しました。
なのでインド・スリランカで、最近はマレーシアでもパンチャカルマを受けることができます。
しかし本格的なパンチャカルマは日本で受けることはできません。
一部をアーユルヴェーダクリニックで受けることができますが、同じ施術を受けることはできませんし、食事や生活の管理、特に都会では環境の管理などは困難です。
しかし渡航費がかからないこと、通いであれば宿泊費もかからずに気軽にチャレンジすることができます。
【高額】施術費の他にインド・スリランカへ渡航費・宿泊費など
インドが比較的安価で、スリランカと比べると3週間滞在の場合、約10万円程度費用の差が出てきます。
もちろん施設やシーズンにもよりますが、インドで宿泊費と施術費で約30万円くらいを考えておくと良いでしょう。飛行機代は別途かかります。
4月から11月のオフシーズンだと宿泊費が割安になります。
【きつい】吐く、血を抜くなど
ブッタは約30回ヴァナマ(嘔吐療法)をしたそうです。
薬草に力を借りるとはいえ、かなりきつかったのではないでしょうか。
ラクタモクシャナ(採血療法)は、ヒルを肌に這わせて、血管に集めた瘀血を吸わせます。
毒素がたまっている人ほどきつく感じますが、たまりすぎていると身体に負担がかるため、パンチャカルマを受けることはできません。
パンチャカルマがおすすめの人
パンチャカルマ自体はハードな施術もあるので誰でも受けることができるわけではありません。なのでアーユルヴェーダ医師がしっかり診断を行います。
身体が弱っている方、子供や高齢者、毒素がたまりすぎている方は、基本的に受けることができません。
ワンランク上の健康・美容を目指す方
インドでは「汚れた雑巾には、きれいな色は入らない」ということわざがあります。
それは身体が汚れていたら質の良い栄養素も吸収できないので、意味がないということを指しています。
健康や美容のために、食事以外にサプリメントで栄養補給している方もいますが、補給する前にまずはデトックスすることが大切です。
そしてデトックスの最高峰であるアーユルヴェーダのパンチャカルマは最適です。
ワンランク上の健康・美容を目指す方には、パンチャカルマで長年ため込んだ毒素を徹底的に深部からのデトックスすると変化に驚くでしょう。
アーユルヴェーダはアンチエイジングにもとても役立ち、「不老長寿の科学」ともいわれます。
現にわたしも一時目元にシワやくま、ほうれい線に悩まされていましたが、アーユルヴェーダでなんとか回復することができました。
西洋医学に限界を感じた方
日本で保険が効くのは西洋医学なので、体調を崩した人はまず西洋医学の治療を受ける方が多いですが、世界を見ると他にもたくさんの医療があり、それぞれの治療法が異なります。
中でも世界保険機関であるWHOでは、5000年前からあるアーユルヴェーダを世界三大医療として認められています。
治らないもの、改善されないもの、再発してしまうものと諦めていたものは、アーユルヴェーダのパンチャカルマも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
体質改善をしたい方
今の状況というのは、良くも悪くも過去のあなたが作り上げてきたもの。
長期の滞在になるかもしれませんが、深部からの毒素のデトックスにより再発がしずらいので、体質改善にパンチャカルマはとても向いています。
最後に
アーユルヴェーダサロンのアビアンガという薬草オイルのオイルマッサージは、パンチャカルマの前処置になります。
海外の本格的なパンチャカルマを受けるのはハードルが高い方は、生活にアーユルヴェーダを取り入れるところから始めることをお勧めします。